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ハウンズフィールド  Godfrey Newbold Hounsfield

経歴と業績

Portrait-hounsefield

ハウンズフィールド(Godfrey Newbold Hounsfield, 1919-2004)[1]

1919年,英国ノッティンガムシャー州ニューアークに,農場を営む両親のもと,5人兄弟の末っ子として生まれた.4人の兄姉とは齡が離れておりひとりで遊ぶことが多かったが,彼は様々な農機具,電気機械の仕組みに強い関心をもち,器械や道具を分解,組み立てて遊ぶ少年であった.手製のグライダーで干し草の山から飛び降りたり,手製の爆弾を破裂させたりもした.しかし学業については,物理と数学に多少の興味を示すほかはあまり身が入らなかったようである.大学には進まず,空軍に入隊し,技術教育を受けて主にレーダー関係の任務についた.終戦とともに除隊したが,彼の能力を買った上官の計らいでファラデーハウス電気大学に進学,卒業した.

1951年,EMI社に入社,初めはレーダー兵器の設計を担当していたが,当時黎明期にあったコンピュータに関心を示し,英国初のトランジスタ型コンピュータの開発に従事した.その後,自動パターン認識に興味をもって研究を開始し,それがCTスキャナの開発につながったという.1968年頃からCTの開発を進め,1972年に臨床機が稼働.その画期的な技術は世界中から絶賛された.1979年,アメリカの物理学者Cormackとともにノーベル生理学医学賞を受賞したが,博士号をもたず,医師でもない一介のサラリーマン技術者の受賞は極めて異例であった(ちなみに共同受賞したコーマックも博士号をもっておらず,博士号を持たないノーベル医学賞受賞者は他に例がない).

この他にも数々の名誉ある賞に輝き,1981年には女王陛下からナイトに叙せられたが,いたって控えめな性格で人前に出ることを嫌い,Sirの称号で呼ばれることも好まなかった.1986年にEMI社を退職するまで,以前と変わらず技術者として同社の研究,開発に携った[2,3].

出典