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シカール  Jean-Athanase Sicardflag-france

経歴と業績

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シカール(Jean-Athanase Sicard, 1872-1929)[1]

1872年,フランスのマルセイユに生れた.医学部卒業後は,Widal反応で知られる Georges-Fernand Widalの下で血清診断の研究を始めたが,神経学に興味をもち転向した.特に神経解剖学,疼痛の機序に関心が深く,静脈瘤のサリチル酸ナトリウムによる硬化療法,三叉神経痛のエタノール治療などを手がけた.1910年よりNecker病院の神経科医となり,1920年頃より疼痛治療薬であったヨウ化油リピオドールを脊髄硬膜外腔,脊髄クモ膜下腔のX線造影剤として応用する研究を開始し,弟子のJacques Forestierとともにこれを神経領域のみならず全身の臓器に応用し,汎用造影剤としてのリピオドールの地位を築いた.Collet-Sicard症侯群(第9~12脳神経麻痺)に名前が残る[1].

出典