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ソディ Frederick Soddyflag-england

経歴と業績

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ソディ(Frederick Soddy, 1877-1956) [1]

1877年,イギリス南岸のイーストボーンに,ロンドンで穀物商を営む家庭に生まれ,1898年,オックスフォード大学の化学科を首席で卒業した.1900年,職を求めてカナダのトロント大学に行ったがうまく行かず,帰路に立ち寄ったモントリオールのMcGill大学にたまたま空席があったため採用され,その2年前にケンブリッジ大学からここに就任していたRutherfordに出会い,共同研究を開始した.当時,Rutherfordはトリウムのエマネーションの研究をしており,これを糸口にSoddyと共同で元素が放射線を放出して他の元素に変化する,放射性壊変を発見した.

1904年にGlasgow大学に移り,ここで放射性壊変の研究をさらに進め,特に元素がα線を放出して原子番号が2つ小さい元素に,β線を放出して原子番号が1つ大きい元素にそれぞれ変化することを見いだし,これを統合,整理して1913年に現在の放射性元素の壊変系列をほぼ完成するとともに,同位元素(アイソトープ,isotope)の存在を明らかにした.1921年,その功績に対してノーベル化学賞を受賞した.1919~37年にはオックスフォード大学教授をつとめたが,1914年以降は物理学の研究はほとんど行なわず,この間に熱力学を経済学に応用する研究に携った[2].

出典