クーリッジ William David Coolidge 
経歴と業績

クーリッジ(William David Coolidge, 1873-1975) [1]
1873年,米国マサチューセッツ州ハドソンに生まれ,マサチューセッツ工科大学(MIT)で電気工学を学んだ.ドイツのライプツィヒ大学で博士号を取得,MITの助手をつとめた後,1905年,ジェネラルエレクトリック(GE)社の研究員となった.
GE社ではまず,白熱電球のフィラメント改良に従事した.当時すでにフィラメントには融点の高いタングステンが適当と考えられ使用されていたが,タングステンは非常に脆く加工が難しかった.1910年,Coolidgeは低温でタングステンを細く引きのばす延性タングステン(ductile tungsten)の製法を開発し,これを使用した電球はただちに市場を席巻した.
Coolidgeは次なる目標として,X線管球の研究開発に取り組み,従来の不安定なガス管球にかわり,熱陰極高真空管を発明した.このいわゆるCoolidge管は取扱いが容易,高出力に耐え,放射線医学を飛躍的に発展させ,X線管球の基本型として現在に至っている.その後もGE社でX線装置の研究開発,放射線防護基準の確立などに携り,1945年に副社長として引退.102歳の長寿を全うした[2].
出典
- 1. https://en.wikipedia.org/wiki/William_D._Coolidge [Fair use]
- 2. Linton O. William D. Coolidge. J Am Coll Radiol. 9:672,2012