スウィック Moses Swick
経歴と業績
1900年にニューヨークに生まれ,1924年にコロンビア大学を卒業した.ユダヤ系であったために国内で卒後教育を受けることが難しかったこともあり,ドイツのLibman奨学金を得て,ハンブルクのLeopold Lichtwitzの下に留学した.Lichtwitzは,化学者Arthur Binzが開発した抗菌剤Selectan-Neutralの臨床試験を行なっていたが,尿路造影効果があることに気づき,この研究をSwickが担当した.Swickはこれを研究設備の整っているベルリンのAlexander von Lichtenbergの下で行ない,Binzと密接に連携して,造影能,耐容性ともに優れた排泄性尿路造影剤 Uroselectanの開発に成功した.しかし,Uroselectan発明の功績は長年にわたってvon Lichtenbergに帰せられ,Swickの業績は認められなかったが,1965年,米国泌尿器科学会はSwickに謝罪し,その功績をあらためて認定した.帰国後は,1981年に引退するまでMount Sinai病院の泌尿器科医として臨床,研究にあたった[1,2].
出典
- 1. Loughlin KR, Hawtrey CE. Moses Swick, the father of intravenous urography. Urology. 62:385-9,2003
- 2. Grainger RG. Intravascular contrast media - the past, the present and the future. Brit J Radiol. 55:1-18,1981