ピエール・キュリー Pierre Curie
経歴と業績

ピエール・キュリー(Pierre Curie, 1859-1906) [1]
1859年パリに生まれた.父は医師.学校を嫌い,両親,家庭教師から教育を受けた.18歳でパリ大学(ソルボンヌ)を卒業,物理学助手となった.1880年に同じく物理学者だった兄のJacques Curie(1856-1941)とともに,ある種の結晶に圧力を加えると電位が発生する圧電現象(ピエゾ効果)を発見した.これはただちに,レコードのカートリッジ,マイクロフォンなどに応用され,超音波検査装置のトランスデューサの基本原理でもある.またこれを応用して,きわめて微弱な電流を測定できる電流計を発明し,これは後に放射性同位元素の研究にあたって重要な武器となった.この他にも磁化と温度の関係を示すキュリーの法則を見いだすなど,磁気学,結晶学の分野に優れた業績がある.
1895年,磁気の研究上のアドバイスを求めに研究室を訪れたMarya (Marie) Skłodowskaと結婚.その後,Marieが博士号のテーマとしてベクレル線の研究を開始するとこれに協力した.1898年,新元素ポロニウム,ラジウムを発見,1903年にHenri Becquerel,妻Marieとともにベクレル線の研究に対してノーベル物理学賞を受賞.1906年,馬車に轢かれて不慮の死をとげた.
出典
- 1. Public domain
- 2. Fernandez B, Ripka G. Unravelling the Mystery of the Atomic Nucleus: A Sixty Year Journey 1896-1956. (Springer, 2013 edition)