- 乳腺
- 初期の乳腺撮影
- 原著論文
- 1930 最初期の乳腺撮影
- 1951 微小石灰化の意義を述べた初の論文
- 乳腺撮影の普及
- 原著論文
- 1960 マンモグラフィーの有用性を確立した論文
- 技術的進歩
- ・乳腺専用撮影装置の開発
- ・フィルム-スクリーン法の確立
- ・拡大撮影,グリッドの導入
- ・ゼロマンモグラフィー
- ・デジタルマンモグラフィー
- 原著論文
- 1967 Mo/Mo管球の開発
- 1973 フィルムスクリーン法の確立
- 1968 ゼロマンモグラフィー
- 関連事項
- ゼロラジオグラフィー
乳腺
初期の乳腺撮影
乳腺のX線撮影に世界で初めて取り組んだのは,ドイツの外科医 Albert Salomonで,1913年,手術症例約3,000例について,切除標本のX線撮影を行ない,肉眼所見,病理所見と綿密に対比した[1].その結果,X線写真で腫瘍の範囲が明らかになることを示し,また浸潤性硬性癌と限局性結節癌に分類した.これは画像所見と病理所見の対比という点で重要な業績であったが,当時のX線撮影の技術ではまだ十分なコントラストと画質が得られず,実際の臨床例の撮影報告されたのはさらに10年以上後のことであった.
初の臨床例における乳腺撮影を報告したのは,ドイツのライプツィヒ大学外科のEmil Payr門下のOtto Kleinschmidtで,1927年にその乳癌に関する著書でX線所見を記載している[2].1932年にその門下のWalter Vogelが,乳癌のX線所見,良性疾患,特に乳腺症との鑑別について総括しているが,まだ圧迫法も行なわれておらず画質は不十分で,そのX線検査の可能性を指摘するにとどまっている[→原著論文](図2).
アメリカでも,1930年にStrafford Warrenが胸部X線撮影の斜位像で乳腺がよく見えることにヒントを得て,腕をあげた斜位像のステレオ撮影を推奨している.当時最新のKodak社の両面乳剤フィルムとPatterson社の増感紙,グリッドを使用して撮影し,良悪性を含む119例中誤診は8例だけという好成績を報告しているが,胸部X線撮影と同じ大視野の撮影で,この成績には疑問も残る[3].
アメリカの放射線科医Jacob Gershon-Cohenは,1938年頃から,年齢,月経周期を加味した乳腺撮影の正常像について詳細に検討した.当時,乳腺撮影の意義について否定的な意見が多い中,Gershon-Cohenは一貫してその有用性を追求した.特に1950年以降は,病理学者のHelen InglebyとともにX線像と病理組織の綿密な対比を研究し,40年前にSalomonが摘出標本で行なった研究を,実際の臨床例で再確認し,診断法を確立した[4].
乳腺疾患の診断に重要な役割を果たす石灰化像に初めて着目したのは,1949年,ウルグアイの放射線科医Raul Leborgneである.Leborgneは乳癌の30%に微小石灰化像があり,特に乳管癌に特徴的な所見であることを記載した[→原著論文].Salomonをはじめ,それまでも石灰化の記載はあったがその意義ついて詳細に検討したのは,これが初めてであった.また側面撮影に加えて,現在も標準となっている頭尾方向撮影(CC view)の有用性を提唱し,圧迫法を記載したのもLeborgneである(図3).ここに書かれている乳腺疾患の撮影法,診断法は,現在もなお通用するものである.
1930年代,X線撮影の技術が未熟で十分な乳腺のコントラストが得られなかったため,さまざまな造影法が試みられた.1930年,Riesはリピオドールによる乳管造影を試みたが,膿瘍を形成して失敗した [5].このほかトロトラスト[6],空気[7]などの報告もあるが,いずれも侵襲,副作用にみあう有用性が証明されずに短命におわっている.
原著論文
【要旨・解説】臨床例に初めて乳腺撮影を行なったライプツィヒ大学の,当時としては最も豊富な臨床例をもとに,乳腺疾患のX線診断について詳述した論文である.撮影法は側面像(ML撮影)のみであるが,腋窩を含みリンパ節転移も評価できるとしている.
1913年にベルリン大学のSalomonが発表した切除標本のX線撮影所見をもとに,病理学的背景を推測している.正常乳腺では,結合組織、中隔構造による弧状の索状陰影が認められ,乳癌では腫瘤陰影とともにこの正常索状陰影が失われ,不整な,ときに数珠玉状の索状陰影がみられるとしている(図4).鑑別として,びまん性嚢胞性慢性乳腺炎(現在でいう乳腺症)をあげている.石灰化に関する記載はない.びまん性病変よりも結節状病変の方が診断が難しいとしている点は興味深い.
圧迫が行なわれていないこともあり,供覧されている写真の画質は,現在から見ると著しく劣るが,本文の解説との対応も不明の点が多く,当時の苦労が偲ばれる.診断の基本は臨床所見であり,ま線所見はまだ補助的なものに過ぎないが,今後の発展に期待すると結んでいる.
【要旨・解説】著者はウルグアイの放射線科医で,乳腺X線撮影における良悪性の鑑別の基本を明示している.良性腫瘍の特徴として辺縁明瞭,ハローの存在,粗大な石灰化,悪性腫瘍の特徴として不整な輪郭,棘形成,砂粒状石灰化を挙げている(図5).これは,まさに現在の教科書にも記載されているものである.
乳癌にしばしば石灰化が見られることは病理学的には知られていたが,その性状や意義については考慮されておらず,石灰化の診断的意義について述べたのはこの論文が初めてである.
撮影法についても,それまで側面撮影が一般的であったが,頭尾方向撮影を原則とし,また圧迫筒による圧迫の有用性を紹介している.前掲の1932年のVogelによる初報とくらべると,撮影法,読影法いずれも大きく進歩しており,現在の乳腺撮影への道筋を明らかにした論文である*.
*本稿の2年前にほぼ同内容の論文[24]がスペイン語で発表されているが,本稿によりその意義が周知された.
乳腺撮影の普及
それまで乳腺疾患の診断におけるX線検査の位置づけは不確実で,その意義を否定する意見もあった[8].しかし1960年,アメリカのRobert L. Eganは,1,000例中240例に乳癌が認められ,うち238例はX線写真のみで診断し得たという驚異的なデータを発表し,これを機にX線検査の有用性が本格的に検討されるようになった[→原著論文].またEganは撮影条件の最適化の必要性を強調し,高電流,低電圧,Kodakの高性能フィルムを使用し,再現性のある高画質が得られる撮影法を提唱した.しかし,まだ増感紙は使用されず,圧迫法も併用されなかった.なお乳腺のX線撮影に対して,Mammographyという名称を初めて使用したのはEganである (初出は1937年のHickenの論文であるが[6],これは乳管造影検査に対する呼称であった).
1963年,乳腺撮影,特にそのスクリーニング検査としての有用性を検証する目的で,大規模な無作為疫学調査が行なわれた.これはニューヨークの保険会社Health Insurance Plan (HIP)がスポンサーとなり,40~64歳の女性6,000人を対象として,年2回のスクリーニング検査を受けるグループ,受けないグループにわけて5年間の追跡調査を行なう初の大規模研究であった.その結果,スクリーニングを受けたグループの死亡率が30%以上減少することが明らかとなった(図6)[9-11].これを受けて,1973年に全米27拠点で行なわれたBreast Cancer Detection Demonstration Project(BCDDP) は,マンモグラフィーの乳癌検出率90%,触診では42%が陰性であることを示し,40~69歳の女性における有用性を証明し,スクリーニングマンモグラフィーの地位を確立した[12].
原著論文
【要旨】 M. D. Anderson病院の乳腺専門施設で,3年間に撮影したマンモグラフィー1,000例について検討した.撮影方法は,頭尾,斜位,腋窩の3枚で,年齢や乳腺の状態に応じて22~28kV,300mA,6秒.悪性を示唆する所見は,微細な石灰化,不均一な濃度の腫瘤,不規則な棘状輪郭,周囲の二次性変化(皮膚皮溝,乳頭陥凹)などである.乳癌は245例で,このうち238例は悪性と診断できた.また触診で正常,X線でのみ診断できた症例が19例あった.
【解説】 1930年代から始まった乳腺のX線検査は,技術的にもそれなりに進歩して所見に関する知見も蓄積したが,触診を主体とする臨床診断に対する有用性については明らかなデータがなく,外科医の中にはその意義について否定的な意見も少なくなかった.そのような状況の中,1960年に発表されたこの論文は,1,000例という十分な症例数に一貫した検査を行ない,正常例,明らかな良性疾患以外は,全例に組織診断を得て,悪性疾患の正診率99%という圧倒的な成績を示して,X線検査の有用性を明らかにして,その後の方向性を決定づけた記念すべき論文である.
この論文には実際の写真が掲載されていないが,1963年の論文に掲載されている同じ撮影法による写真をみると(図7)[13],専用装置を使わず,圧迫法もグリッドも使用していないにもかかわらず,非常に高画質であることに驚かされる. なおマンモグラフィー(mammography)という言葉を,乳腺X線撮影に対して初めて使用したのもこ論文である (1937年にHickenが使用しているが,これは乳管造影をさしていた[6]).
技術的進歩
乳腺専用撮影装置の開発
Eganの報告をふくめ,1950~60年代初期の乳腺撮影は,通常のタングステン陽極,アルミニウムフィルターを備えたX線管球,低電圧,工業用の高精細高コントラストフィルムを使用し,増感紙,グリッドは使用されていなかった.このため,画質は不十分で,撮影時間は長く,被曝も大きかった.
1967年,フランスのCharles-Marie GrosはCGR社との共同研究で,乳腺撮影に使用する低管電圧領域に特性X線スペクトル,K吸収端を有するモリブデンをターゲット,フィルターに採用し(Mo/Mo),従来のタングステンターゲット,アルミニウムフィルター(W/Al)よりもはるかに良好なコントラストが得られることを示した[→原著論文].また撮影時の乳腺の強い圧迫を推奨した.1969年,CGR社はこれらの仕様を備えた初の乳房専用X線撮影装置 Senographeを発売した(図8)[→原著論文].
フィルム-スクリーン法の確立
それまでの乳腺撮影は,高コントラスト,高分解能を維持すべく増感紙なしで撮影されており,撮影時間が長く被曝も多かった.一般のX線写真のように両面乳剤フィルムと増感紙を利用すると粒状性が問題となる.1970年,イギリスのPriceらは,工業用フィルムと高精細増感紙を,真空のパッケージにおさめて密着させることにより被曝の低減,画質の向上をはかれることを示した[14].1973年,DuPont社はこれをもとに,片面乳剤,高精細増感紙を組合わせた乳腺撮影専用フィルム Lo-doseシステムを発売した.これによりフィルムスクリーン法が確立し,低線量,高画質の乳腺撮影が可能となった[→原著論文].またそれまで用手現像が主流であったフィルム処理も高速化された.
拡大撮影,グリッドの導入
1977年には,アメリカのSicklesらが,0.09mmの小焦点による拡大乳腺撮影の有用性を報告した[15].
1978年,ドイツのFriedrichらは,乳腺撮影の線量分布を分析した結果,44%が散乱線であり,これにコリメーションや圧迫を加えても36%までしか低減できないことを示し,乳腺撮影用グリッドを開発した.グリッド比,グリッド密度の小さいBucky型移動グリッドで,さらにカーボンファイバーを利用してグリッドによる吸収を極力低減するものであった[16,17].以後,乳腺撮影でもグリッドの使用が一般的となった.
ゼロマンモグラフィー
このようなフィルム-スクリーン法の改良,進歩とは別の流れとして,1970年~80年代にゼロラジオグラフィー(xeroradiography)を乳腺に応用したゼロマンモグラフィー(xeromammography)が開発された[→関連事項].ゼロラジオグラフィーは,複写機の原理を利用したX線フィルムを使用しない方法で,乳腺における評価は,1960年にGouldが初めてその有用性を報告しているが[18],装置が非常に大型で実用的ではなかった.その後次第に改良,小型化が進み,通常のX線装置をそのまま使用することができ,暗室処理も不要で高精細画像が得られる利点があった.1968年以降アメリカのJohn Wolfe[→原著論文]らが積極的に研究をすすめ,1971年には初の乳腺専用装置が発売された.Wolfeらはその後もその有用性を発表し続け[19],診断能はフィルムスクリーン法に比肩しうるものであったが,比較的被曝が多く,画像が紙に印刷されるなど他のX線検査とワークフローが全く異なり取扱いが面倒であったことなどからそれ以上の普及を見ることなく,製品の製造中止とともに1980年代に姿を消した.
デジタルマンモグラフィー
2000年以降,X線診断全体にデジタル化が進んだが,高空間解像度,高コントラストが要求されるマンモグラフィーのデジタル化は技術的,心理的な抵抗が強く移行は遅れ気味であった.しかし,2005年の大規模研究で,フィルムスクリーン法と同等,特に乳腺濃度の高い若年者ではデジタル法が優れるとの結果が得られ,以後デジタルマンモラフィーが急速に普及した [21]
原著論文
【要旨・解説】フランスの物理学者,医師でもあるCharles-Marie Grosが,CGR社との共同研究の成果を乳腺シンポジウムの演題として発表したものである.いくつかの問題が扱われているが,特に重要なことはそれまでのタングステン陽極にかえて,モリブデン陽極を使用していることである.モリブデンは,17.4keV, 19.6keVに特性X線をもつため,これをターゲットとするとこのピークを効率的に利用できる.またモリブデンは20keVにK吸収端をもつため,これをフィルターにも使うことにより,表面線量の増加につながる低波長域,コントラスト低下の原因となる長波長域をカットして,15~20keV付近のエネルギーを選択的に利用する単色光に近い状態で良好な軟部コントラストが得られる(図9,図10).
また,一般的なタングステン回転陽極は,曝射時間が長いために熱効率の利点を活かすことができず,連続使用できない,劣化が早いなどの問題を生じるため,水冷装置を備えたモリブデン固定陽極の方が適しているとしている.
この2年後,CGR社は Senographe の商品名で,初の乳房専用X線装置を発売した.これはMo/Mo管球,圧迫装置などを備えたコンパクトな装置で急速に普及し,乳腺撮影の高品質化,標準化を進める大きな原動力となった.Senographeは,現在もGeneral Electric社の商品名である.
【要旨・解説】通常のX線写真は両面乳剤フィルムを2枚の増感紙ではさんで撮影するのが一般的であるが,高空間分解能,高濃度分解能が要求されるマンモグラフィーは,粒状性に優れた低速の工業用X線フィルムを使用し,かつ増感紙なしで撮影するのが一般的であった.しかし,曝射時間が長く,被曝線量が大きいことが問題となる.
本稿は,1973年にDu Pont社が開発した片面乳剤と高精細増感紙を組合わせたシステムの報告である. フィルムは比較的低速の片面乳剤で,両面乳剤におけるクロスオーバー露光の問題も回避できる.さらにフィルムと増感紙を真空装置を利用して密着させるなどの工夫を重ねて,高解像度,低線量システムの開発に成功した(図11).被曝線量は,従来の無増感紙方式にくらべて1/8に低減した. このシステムはその後Lo-doseの商品名で市販され,その後デジタルマンモグラフィーに置換されるまで,フィルムマンモグラフィーの標準的な撮影方法となった.
【要旨・解説】著者のJohn N. Wolfeは,ゼロラジオグラフィー,特にゼロマンモグラフィーの歴史を通じて,20年以上にわたり一貫してその発展,普及に努めたデトロイトのHutzel病院の放射線科医で,これはその一連の論文の初報で,1968年のRSNAで発表されたものである.冒頭で触れているように,これ以前にもゼロマンモグラフィーの報告はいくつかかあるが,まとまったものではなかった.
フィルム法によるマンモグラフィーに比較して,所見が明確なため読影が容易で短時間で診断できる点が有利であると特に強調している(図12).撮影,処理の各段階における技術的な問題を挙げ,まだ初期なのでいろいろ不具合があり,またゼロマンモグラフィー特有のアーチファクトもあって改良すべき余地が多々あるが,これらが解決して良い装置が完成した暁にはさら精度の高い検査が期待できるとしている.
Wolfeは,この初報の後,多くの原著論文,総説を通じてゼロマンモグラフィーの利点を強調し,1987年に2万例以上の乳腺撮影の結果を総括しているが[19],これを最後に報告はなく,フィルムスクリーン法の改良が進む中,ゼロラジオグラフィーはまもなく終焉を迎えることとなった.
関連事項
ゼロラジオグラフィー
1970~80年代に,ゼロラジオグラフィー(xeroradiography)およびこれを乳腺に応用したゼロマンモグラフィー(xeromammography)が,通常のX線撮影と平行して利用された.
ゼロラジオグラフィーは,複写機の原理を応用したX線フィルムを使わない検査法である.1930年,ハンガリーのPaul Segnyiは画像を複写する Electrographyを発明した[22].これは,陰イオンビームを電界で偏向して光導電体*(感光体)を塗布した金属ドラムを照射してその表面に潜像を記録し,ドラムに粉末染料を撒布して印刷する方法であった(図13).紙原稿の濃度をビームの強度に変換することにより複写できる.アメリカの物理学者Chester Carlsonはこれを応用して,1938年に硫黄を感光体とする複写機(電子式複写機 Electrophotography)を発明したが,その後半導体のセレンが感光体として優れていることを発見した.1946年,写真印刷機器会社のHaloid社 (1958年 Haloid-Xerox社, 1961年 Xerox Corporation社となった)がこの特許を取得し,1950年に世界初の電子式複写機Haloid Xerox Copierを発売した.この原理は現在のコピー機,レーザープリンタの基本となっている.
*光導電体(photoconductor):半導体や絶縁体の中には,光があたると内部の自由電子(伝導電子)が増加して導電率が上昇する(=電流が流れる,荷電する)物質がある.これを光導電体という.代表的な半導体光導電体に,Se, Ge, CdSなどがある.放射線医学で馴染みの深い光電効果の一種であるが,光によって物質の表面から電子が放出される外部光電効果に対して,物質内で自由電子が生まれることから内部光電効果と呼ばれる.
並行して医用X線撮影への応用が研究され,1956年,GE社がHaloid-Xeroxと共同で開発した初のゼロラジオグラフィー(xeroradiography)を発売した.ゼロラジオグラフィーは,X線フィルムのかわりにセレンの薄膜を蒸着したアルミニウム製プレートを使用し,事前にセレンを帯電させてX線を照射するとその強度に応じてセレンが放電することを利用する.これを潜像として,ここに粉末染料を撒布して帯電部位に静電力で付着した染料を紙に転写することによりハードコピーが得られる.プレートは再利用可能である.撮影装置は通常のX線と同じものが使用でき,X線フィルムや暗室での現像処理も不要である.ラティチュードが広く,エッジ効果が強く,微小な石灰化の描出にも優れることから,特に乳腺,甲状腺,四肢軟部組織の撮影に有用性が見いだされた.特にアメリカのWolfeらが精力的に研究をすすめて多くの臨床成績を報告したが[19],フィルムスクリーン法の進歩の前に姿を消した.
出典
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